危ないので下がってください

皆さんは、夢を操作したことはありますか―
決してスピリチュアルなナントカは出てこない情けない話なので、期待しないで読んでやってもいいよ、という方のみここから先をご覧ください。

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印籠が目に入った日

いつものようにぐっすり眠って起きた朝のこと。
悪だくみが明白なことを目もと口もとで知らせながら、家族が笑いを必死にこらえて印籠のようにスマホを見せつけてきました。

出た。証拠物件です。

そこに映っていたのは、脚を高く上げながら、壁・・・でなく襖をゴンゴンと蹴りながら、涙声のワシ。

黄色い規制線
危ないので下がってください(泣)

危ないのでぇ・・・アイタァ・・・・・・危ないので下がってくださあい・・・

黄色い線まで・・・下がっ・・・イタァ・・・黄色い線まで・・・危ないので下がってくださあい・・・(泣

なんとかわいそうなワシ。そんな訴えをものともせず、人の波はワシを食っていきます。

危ないのでえ・・・・・・下がってくださァィ・・・・・・

うおおぉぉぉぉぉをををぉぉぉぉぉぉ!!!!

ワシの小さな声はまんまとかき消され・・・

そう、私は、おそらくライブ会場のようなホールにいたのです。
学生時代、たまにしていた単発バイトの異様な光景は、ときおり夢に登場します。
ホールの光景に、夢の中にいることに気づいたら、ここからは抵抗といたずらの時間です。

夢に、抗う

なんの因果か、その日は、夢で出てきたアーティストのライブでは「つまらない」と思いました。
普段毎日のように聴いても飽きないのに、失礼極まりない話です。

そこに「これは夢であろう」というほとんど確信にちかいものを得て、
夢の内容や出来事に抗ってやることにしたのです。

にわえもん!今だ!!

確信とか言いつつ、あなた夢のなかでしょう

そうだ、あいつを出してやろう

抗うことにした、というのは、夢を操作できる気がしているから。
最近では減りましたが、若い頃はそれが明らかに夢であるとわかりながら、
夢の内容を自分で変更してしまうことがしょっちゅうありました。

最近では熟睡できているのか回数は減ったものの、
たまにそんな日が訪れるときは、夢の内容を操作するのです。

明晰夢」というそうです。

明らかにその世界は現実ではないとわかったら、そこからはファンタジーの時間。

この会場が、エガフェスだったらいいのになぁ

そう、夢に呼んでしまったのです。あの人を。夢にまで見た人というか、夢にお招きしたわけです。

観た直後だったので

実はその日はフェス当日で、夕食を食べながら配信されるライブに参加し、
会場へは行けないにしろ、すっかりフェスを楽しんだのでした。
その興奮冷めやらぬ中、夢にまでミスター伝説を召喚する私。
完全にあたおかです。

夢にまで見た、いや夢の中で活動中のエガちゃんは、
登場曲のあの曲が流れる中爆走し、ついに前列付近の観客の近くへ。

コロナ以降のライブですから、モッシュダイブはおろか、

うおおぉぉぉぉぉをををぉぉぉぉぉぉ!!!!

なんて人はいないはずです。
それがなぜか、観客はオールスタンディングで、

エガチャアァァァァァァァン!!!

うぉぉぉぉぉ

取って入れて出してー

多数のあたおかが叫んでいます。現実では絶対にありえない光景。

私の近くに来たとき、エガちゃんにあの芸を要求したあたおかの前で、
彼は伝説のあの芸をキメたのです。

取って入れて出さないでください

沸く観衆
こんな感じで沸くライブにも久しぶりに行きたいもの

私はイベントスタッフとして、会場内の安全管理を担当しており、
危険行為を制止するためにロープのようなものを持ち、それ以上舞台側に行かないようにしていました。
そこはまさに、バイトの内容そのもの。

私の近くにエガちゃんが来て、要求するオーディエンスの前でキメたのです。

取って入れて出すッ!!!

うおおぉぉぉぉぉをををぉぉぉぉぉぉ!!!!

エガちゃんが取って入れて出すたびに沸く観衆。
エガちゃんやブリーフ団と同じようなスタイルの人々がダイブしていきます。

ワシ、もう決死の覚悟。

危ないのでぇ・・・下がってくださいッ!!

危ないです!舞台のほうに行かないで!線まで下がってくださぁい・・・・・・

取って入れて出さないでくださぁぃ・・・・・・(泣

取って入れて出さないでください。
あなたはこんなこと、夢の中でも言ったことがあるでしょうか。

物申してやればよかったのに

実際のエガフェスでは、優秀なあたおかの皆さんがルールを守って鑑賞されていましたが、
ワシの夢の中のそんな状況でオーディエンスが黙っているわけはありません。

みんなで取って入れて出しはじめます。

取って入れて出す。全員が、不揃いに取って入れて出すのです。

お願いだ!もうやめてくれ!
そう思った瞬間、ついに悪い癖が出てしまいました。

ゴンッ

大きな音が録音されているので自分の寝相を見たら、
家族のスマホにはすっかり、私が襖を蹴る様子が録画されていました。

なにかに対してもがいているのか、腕もポコポコ壁、いや襖に当たっています。
そりゃあうるさいです。家族も寝られやしないでしょう。
衷心よりお詫び申し上げ再発防止に努めてまいる所存でございます。

手足で語るよりも、伝説の方を見習って一言物申してやればよかったのです。

その手足を操作して

きっと、私が操作するべきは夢のストーリーではなくて、身体のほう。
小学校の合宿研修では頭と足とが180度逆になって起きたし、
襖との相性が悪くて、最近は寝床を移動されてしまいました。

寝相を操作できたら、どんなによかったでしょうに。
お前に一言物申してやろうか!

今日はここまでにしといちゃらーーー。


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この記事を書いた人

寝言と寝相がフルスロットル。
記事の書き終わりには独特の独り言を吐く。
以前の投稿内容はだいたい夢の中身だったが、歳のせいか夢見が減ってきたので最近は夢もへったくれもないことを書いている。
一人称が時々「ワシ」になる、実はバイク乗り。

コメント

コメント一覧 (4件)

  • エガちゃんはにわえもんを指さしてこう言ったでしょうね。
    「待ってたぜ~」

    • お前もあたおかか~。待ってたぜ~。会いたかったぜ~。って言ってくれました。
      夢でもうれしい!

  • 夢で金縛りにあって、起きても金縛りにあうという怖い経験がありました。
    身体が自由に動く方がいい、でも、衝動に駆られても、取って入れて出さないようにします。

    • 起きても金縛り!!??しんどかったですね。
      もちろん身体を動かす自由はありがたいものですが、危ないので黄色の線の後ろ側でお願いいたします。

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