「波長が合う」に関する考察

人間関係で使われる「波長が合う」というフレーズについて考察してみました。

波長は音楽的なテンポや音程と似ていると考えられます。テンポはメトロノームで合わせる周期速度やリズムパターンで、これが合っているというのを波長が合っていると考えます。また音程の方は同じ音程を鳴らすか、ハーモニーを生み出す違う音程を鳴らすか、いずれかが出来ているのを波長が合っていると考えます。

この考え方では、波長が合う人との1対1の会話は、カラオケでのデュエットです。また複数人の会話なら、ジャズトリオやカルテット、ビッグバンド、オーケストラのような調和が実現可能です。波長が合っていれば、このような対話では基本的に不協和音、ノイズは少ないですし、仮にあったとしても意図的なもので、会話のスパイスになる程度のものでしょう。

では波長がズレている人とは、このような調和の取れた会話はできないものでしょうか?

私はそうした人ともオーケストラを成立させることは可能だと考えています。そのためには、どちらか一方の波長に合わせるか、どちらでもない第3の波長に合わせる方法がありますが、いずれにしても合わせられる人が、合わせられる範囲で波長を合わせることが重要です。コラボレーションの成功を目的とした会話の場合、このように波長を合わせる工夫ができるかどうかに成否が掛かってきます。

ズレが大きい場合、目的に沿って会話を進行するための波長は、最初は違和感しかないかもしれません。自然体の波長とのズレがあるので仕方のないことですが、波長が合わない状態よりもノイズが少なく、心地良く調和の取れたオーケストレーションが出来るでしょう。波長を調整するのが上手な指揮者のような友人がいれば、その人にも協力してもらう方法もありますね。

波長が合う、合わないというのを出会った瞬間に直感的に理解し合える関係も素敵ですが、一緒に過ごす時間の中で次第に擦り合わされるように波長が合ってくる人もいます。これはどっちもいいし、どっちでもいいですね。

逆に出会った時は波長が合っていたのに、いつの間にか波長がズレてしまい、ノイズしか生まなくなってしまった・・・というケースもあるでしょう。そうなる原因は、音合わせをする機会の欠如や自分の波長を見失ってしまったなど、様々な原因があると思います。ズレに気付いた時には楽器の弦のように調律も必要でしょう。

波長のズレによる「ノイズ」についても考えてみます。

伝えようとしてエネルギーを使ったのに上手く伝わらないことが問題となります。伝えようとしている側にも受け取ろうとしている側にも、そしてそれを聞いている周囲にもよくない影響を及ぼします。そんな問題をノイズと呼ぶことにします。

ノイズに対処する技術は、電子、電気の世界ではポピュラーです。

例えば、ノイズカットするためにフィルターやコアといった部品をノイズが伝わる回路に組み込んで取り除きます。人間関係の場合は間に人を置くことで直接会話することを回避することになるでしょうか。

絶縁するという方法もあります。SNS上でのブロックはまさに絶縁です。リアルな人間関係では多少の悶着が起こり得ますが、綺麗さっぱり関係を切るということも時には必要でしょう。

ノイズカットも高度なレベルになると測定したノイズに対して逆の波長の信号を出す、いわゆるノイズキャンセリングというのがあります。ノイズ源の人が発しているネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換するマインドセットでしょうか。これはかなり高度な技になります。

少し現実離れしてしまいましたかね?

ノイズについて考えてみたのは、波長が合わない人の対処方法が分かると波長の合う人との時間を増大できると考えたからです。波長の合う人と接する度時間の総和と幸福感には高い相関があると思われます。

そのために自分と相手の波長を識別する能力と調整する能力、ノイズへの対処法の3つを磨きたいですね。

それでは。

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この記事を書いた人

シゲタ ノリスケ シゲタ ノリスケ ビジネスデベロッパー、コンサルタント、オモシロタノシスト

好奇心が服を着て歩いてると言われる40代ビジネスパーソンです。オモシロタノシズムの社会実装を夢見て、今日もあれこれ考えています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • ノイズだけに焦点を絞ると。
    EV車やハイブリッドカーは、安全確保するためにあえてエンジン音を出していると聞いたことがあります。
    雨や雑踏のBGMで落ち着き、パフォーマンスが上がるという方もいらっしゃいますね。
    前者が「緊張」、後者が「緩和」。
    この繰り返しの波長が日常生活にリズムを与えているのかなと思いました。

    • コメントありがとうございます。リズミカルな生活に緊張と緩和が必要だという点、同感です。

      後者は「1/fゆらぎ」の効果ですね。
      調べてみると、1/fゆらぎは自然界に存在する周波数で、要素分解すると規則性と突発性、予測性と逸脱性を包含する合成波のようです。
      聴覚はなんとか規則性を求めて聞いているのですが、どこかではぐらかされてしまう。そこに突発性や逸脱性が悪戯をする。つまり、どっちでもいい、どっちもいい周波数になっているようです。
      これを逆に使うと人工的に作った面白味のない創作物に面白みを加えることが可能ではないかと思います。それが味わいですね。

      前者の警戒音との違いは「ずっと聴いていられるかどうか」という根本的な違いがありますね。この警戒音から1/fゆらぎまでを滑らかな階調にしたグラデーションの中に自分と相手の合成波が存在していると考えることもできます。

      オモシロタノシズムは単独でも存在可能ですが、社会生活の中でオモタノを実践するための「合成オモシロタノシズム」を具現化するには冒頭の1/fゆらぎの解説の中にある、二律背反要素を包含することが重要だと考えます。なんか難しい話に聞こえますが、実は無理に合わせようとしなければいいだけではないかと思います。緊張と緩和が不規則に生じることを受けて、安定化させるためにオモタノ能力がアップデートされていく。
      そんな感じでしょうか。

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